新築の内覧会では、住宅各部の仕上り具合や、住宅設備の取扱いなどに関心が行きますね・・・それは当然のことです。
一方、完成した住宅の内覧会、あるいは中古住宅の診断なども含めて、その段階では「見えないところ」として、住宅の躯体(構造)や断熱などがあります。もちろん私たちは、小屋裏(屋根裏)の診断や、床下の診断の際に、そうした箇所も部分的には確認します。
では、玄関の断熱についてはどうでしょうか?特に、玄関土間の断熱については。
目次
きっかけは内覧会、玄関とシューズクロゼットの足元 ~玄関土間の「見えないところ」
ちょっとだけ気になる「出っ張り」の付框
内覧会当日、室内のあちこちで、ご持参のテープを貼ったり、メモしたり・・・そして、取扱い説明の終わりに玄関に戻って、玄関ドアの施錠方法の説明。それを聞き終えたあと、玄関横のシューズインクロゼット(SIC)の床に目を向けられたS様の奥様。
床の上のここ、ちょっと出っ張り過ぎてません?
との、ご感想。続いて、
うーん、そう言えば。ここって、こんなものなのですかね?
と、ご主人。
すごく邪魔、というほどではないのでしょうけれど、されど「これからの我が家」の一部とあっては、これもまた気になるところなのでしょうね。
さすがですね、Sさん。なかなか鋭いですね。
少しばかり怪訝そうなS様ご夫妻に、
実は、その後ろ、断熱材が入っているんですよ。表面側は、ちょっと邪魔に思われるかも知れませんが、これもささやかな省エネですよ。
さすが、と申し上げたのは、茶化したわけではなくて、この玄関の「出っ張り」問題、意外といろいろな話題につながって奥が深いからです。
それでは、この玄関の「出っ張り」からスタートして、玄関の「見えないところ」について、断熱の観点からお話ししましょう。このお話は、大きくは前回の続きです。
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まず「出っ張り」の裏側について、そして「出っ張り」の有無について
では、いきなりですが、最初に「出っ張り」の裏側を見てみましょう。
先ほどから話題にしている「出っ張り」は、「付框(つけがまち)」などと呼んだりします。
付框(つけがまち):玄関の土間仕上げ材と、壁仕上げ材の見切り(区切り)の役目をする化粧材。玄関框(上がり框)と同じ高さとすることが多く、玄関土間部分が、框で囲われているような感じになる。
次の写真は、この付框がほとんど出っ張っていない例(左)と、先ほどのように出っ張っている例(右)です。
それぞれの断面を見たものが次の図で、玄関の外壁のところ、たとえば玄関ドア脇の小壁のところです。
ここには、基礎コンクリートと土台、その上の外壁があります。
土台から上は、一般に柱と柱の間に断熱材を納めることができます。しかし、基礎のコンクリートのところは、断熱する場合は、右の図のように屋内(玄関)側に断熱材(ボードなど)を貼ることになります。
後でも出てきますが、この右図のように、基礎の室内側を断熱する場合(基礎内断熱)のほか、基礎の屋外側を断熱する場合(基礎外断熱)もあります。ここでの説明では、主に基礎内断熱についてお話しします
付框がほとんど出っ張っていない場合(左図)は、基礎立上がりを断熱していません。
次の写真は、玄関土間まわりの工事途中の例です。付框下の断熱材の有無が見られます。
玄関土間は断熱不要?~断熱構造について、「この限りでない」玄関土間
最近の国交省告示などの「断熱構造とする部分」について
住宅の省エネ性能に関する基準では、住宅の外皮(外壁、天井、開口部、床など)について、「断熱構造」とすることを求めています。
住宅の省エネルギー性能は、①外皮性能(屋根・天井や外壁・窓など)と、②一次エネルギー消費(住宅設備など)のふたつで評価します。そして、省エネ基準に適合しているかどうかの判定は、(1)性能基準(外皮性能と一次エネルギーを計算して判断)または、(2)仕様基準(外皮の部位ごとの断熱仕様と、住宅設備の仕様を、規定された基準と比べて判断)のふたつの方法があります。後者のほうが、比較的簡易な判断方法です。ここでは、(2)の仕様基準(根拠:平成28年国土交通省告示第266号)を前提としてお話を進めます。
ところが、仕様基準の場合、「次のものはこの限りでない」という、ただし書きがあり、その中に、
玄関、勝手口その他これらに類する部分における土間床部分
とあります。
住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準(平成28年1月29日国土交通省告示第266号)などに示された「断熱構造としなくてもよい」とされた5項目のひとつ
5項目のうちの4つを図示したものが次のイ~二で、玄関土間は二のところです。
つまり、「玄関土間は、必ずしも断熱化する必要はない」と言っているわけです。
もっとも、この図だけ見ると土間「床」は断熱構造としなくても良いけれど、土間床等の「外周部」の扱いは微妙ですが、次のような注意書きがあります
玄関土間(中略)の土間部分は、その下面及び連続する布基礎の立上り部分等について施工を省略することができます。
玄関土間の断熱不要、もう少しわかりやすく
もっと具体的に、平面的に解説した箇所を引用します。
さらに、住宅金融支援機構の仕様基準(後述)の解説は、もっと具体的で、図のようになっています。
4㎡のカベ:断熱強化、ではなく、緩和されてきた「玄関土間断熱」
実は、この住宅金融支援機構の解説には、
なお、平成11年基準では、断熱構造としなくてもよい玄関・勝手口等の土間床に面積の上限(おおむね4㎡)が ありましたが、改正省エネ基準では面積の上限が撤廃されています。
と、あります。
一般に、「土間床等の外周部」は外壁の下にあるので、本来は断熱が必要な外壁に続いていれば「断熱構造」とすべき部分です。
ところが、同じ土間床でも、玄関土間に限っては、断熱施工が緩和され、やがて省略できるようになりました。その流れを大ざっぱに並べてみたのが次の図です。
今日一般的なベタ基礎ではなく、布基礎のイメージですが、昔の住宅金融公庫(今の住宅金融支援機構)時代の「玄関土間の断熱イメージ」あたりからはじめてあります。(図のA,B)
それが、「玄関及び勝手口の床面積の合計がおおむね4㎡程度」の場合は、熱損失の割合が小さいなどの理由で、断熱を省略することが認められるようになり(図のC)、平成21(2009)年からはその面積の制限も撤廃されました(図のD)。それが、先ほどの住宅金融支援機構の解説です。
ですので、はじめの玄関やSICの付框の「出っ張りあり、出っ張りなし」の話題に戻ると、「出っ張りなし」すなわち「土間床部の断熱なし」でも、いちおう基準上は問題ではない、ということになります。
しかし、最近の新築内覧会の住宅でも、必ずしも土間断熱を省略しているばかりでもない
以上は、関係者のあいだでは周知の事柄ですが、おそらく一般の住宅購入者の方にはあまり知られていない話題でしょう。
しかし、内覧会などで拝見する最近の住宅では、建売住宅であっても、手間とコストのかかる玄関土間床部の断熱化を、必ずしも省略しているものばかりでもないことに気付きます。
冒頭のS様のお宅の例がまさにそうですが、他にも、内覧会同行のご依頼をいただいた際に、その住宅の図面などを拝見するのですが、その中にその住宅の断熱仕様や断熱施工要領が記載されている場合があります。
仕上工事まで終わった内覧会の段階では、その住宅の断熱施工状況をくまなく確認することは困難なので、玄関やSICの足回りの断熱については、図面や仕様書で断熱方針を確認したり、付框の設置状況などから、間接的に確認することになります。
さて次は、住宅の足回りの断熱に関連して、知っておきたい話題についてさらりと触れて見ましょう。図と写真だけ見て、進んでいただいてもお分かりいただけますよ。
床断熱の住宅でも、玄関だけは基礎断熱 ~ 床断熱と基礎断熱について
床の断熱には二種類~床断熱と基礎断熱
ここまで、玄関土間の足元の断熱のお話しでした。これは、基礎断熱に分類されます。
実は、住宅の床の断熱には二種類あります。よく、「床断熱と基礎断熱」というようなタイトルのテーマで、戸建て新築住宅のサイトなどで取り上げられているので、ご覧になった方も多いかもしれませんね。
ごく簡単にご理解いただくには、次の図面をご覧ください。
ごく大ざっぱに言うと、床のところで断熱して、床下は屋外扱いとするのが床断熱、床下の基礎のところまで含めて断熱する、つまり床下も屋内の一部として扱うのが、基礎断熱です。
このうち基礎断熱工法は、床断熱より新しい断熱方法で、我が国では最初北海道の住宅に導入され、試行と検証を繰り返しながら、昭和50年代に寒冷地の汎用的な技術として確率されました。
基礎断熱には基礎外断熱と基礎内断熱があり、これはことば通り、住宅の外周基礎の屋外側に断熱材を貼るのが外断熱、内側に断熱材を貼るのが内断熱です。(図の基礎断熱は、内断熱の場合を表わしています)
基礎断熱の場合、床下換気や蟻害(シロアリ)対策などの問題に配慮する必要があります。
床断熱の住宅でも、玄関は基礎断熱
温暖地などでは床断熱を採用する住宅の方がまだ多いのですが、その床断熱の住宅でも一部基礎断熱とせざるを得ない箇所があります。
そうです、玄関土間(およびSICの土間)部分と、浴室(ユニットバス)の床下部分です。
次の図の左が基礎断熱で、右のような場合は床断熱です。
床断熱の場合で、一部基礎断熱となるところを平面図で例示すると次のようになります。(浴室は上記参考)
これを断面の模式図で見ると、次のようになります。
断熱化が緩和される土間は玄関だけ
ところで、少し特殊な例となりますが、部屋のひとつを作業土間(ワーク・スペース)のようにして、床を張らず土間にするような場合があります。
これは、作業土間の周囲が外気や他室の床下に面する場合、玄関土間以外の「土間床等の外周部」となるので、断熱構造としなければなりません。
断熱構造化が必ずしも必要でないとされているのは「玄関、勝手口その他これらに類する部分における土間床部分」に限られます。
この「その他これらに類する部分」には、SIC(シューズ・イン・パーククローゼット)が含まれます。
以上を、また模式的な平面図で例示すると次のようになります。
かつては「おおむね4㎡までとする」とされた玄関土間の断熱緩和ですが、玄関+SICで土間範囲が広がってきている昨今、ちょうどこの面積制限が撤廃されました。
玄関を断熱すること ~ まず「玄関ドア」、そして「玄関土間」も断熱したい
先ほど、内覧会などで拝見する最近の住宅では、建売住宅を含めて、玄関土間床部の断熱化を、省略していない例も多く見られるとお話ししました。
S様が気付いた「付框の出っ張り」は、こうしたことを教えてくれます。
常々思うのですが、住宅各社に対して「御社は玄関土間の断熱をどのようにお考えですか?」と聞いてみてはどうでしょうね。
ところでその前に、今回のお話の大きな前提である「玄関ドアの断熱」について見ておきましょう。
玄関断熱はまず玄関ドアの断熱化から
今回は、「住宅の玄関の断熱」というテーマの中で、いきなり「玄関土間の断熱材のあり、なし」の話題に入ってしまいましたが、これには、「玄関の外壁まわりは、しっかり断熱されている」という大前提があります。
そして、この「外壁まわりの断熱」には、当然「玄関ドアの断熱」も含まれます。
たとえば、図は、冬場の熱の逃げ方や、夏場の侵入の仕方の試算例ですが、圧倒的に開口部(窓、ドア)からが多いことがわかります。
つまり、玄関でも、外壁そのものはもちろんですが、玄関ドアの断熱性能を高めることが大切、ということです。
新築住宅の玄関ドアと言うと、ドアのカタログを見せられて、デザインや色合いなどに心奪われるでしょうけれど、同時にその断熱性能にも関心を持っていただければと思います。
ドアの断熱性能は、熱貫流率(U値:単位W/㎡・K)という数字で表わします。
たとえば、極寒冷地で使われる高断熱仕様の玄関ドアではU値が1.0を切るものが使われたりしますが、一般的に普及している断熱性のある玄関ドアではU値2.0~3.0程度です。
しかし、玄関ドアのカタログなどを見ると、「断熱仕様(k2仕様)」とか「D4仕様」などと記されています。
これは、玄関ドアの主要メーカーが、製品の断熱仕様を独自に表わしている記号です。ちなみに「k2、k4」はLIXIL、「D2、D4」はYKKが、それぞれ使っている記号です。
たとえば、極寒冷地には「高断熱仕様」、寒冷地では「k2仕様」、温暖地には「k4仕様」、断熱性能のない仕様、と言った具合です。
これらのメーカーの断熱仕様の玄関ドアには、断熱材が入っていて、ガラス入りのドアでは複層ガラス、ドア枠に断熱枠が使われたりします。そして、断熱材の厚みやガラスの種類、封入ガスなどによって断熱性能が上がります。
これらとは別に、木製玄関ドアも断熱の効果が高く、質感も優れています。ただし木製ですので、経年とともに色の変化はあり、維持管理も必要になってきます。
内覧会の玄関で、「見えない」断熱を考える
それでも、玄関土間を断熱したい
このように、玄関まわりの外壁、玄関ドアの断熱性能を確保した上で、その足回りの断熱も充実させるべき、というのが今回のまとめです。
断熱の基本は、住宅を断熱材ですっぽり包むこと、でした。断熱材や断熱建具ですき間なく包むことが理想です。
ですので、熱損失の割合が少ないので「この限りでない」という仕様基準上の緩和規定はあっても、いくばくかの手間とコストはかかるものの、玄関土間まわりも断熱化することが望ましいと思います。
実務的には、仕様基準ではなく、外皮性能を計算によって求めて、基準値との比較で、玄関土間立上がりの断熱の要否を判断するケースも多いとは思いますが、外皮計算結果はさておき、「玄関土間が冷える、結露する」のは避けるべきではないでしょうか。
玄関土間の断熱施工 ~ 7通りの断熱方法を比較してみましょう
それでは、玄関土間まわりの断熱には、具体的にどのような方法があるのかを見てみることにしましょう。公庫(支援機構)の例示は、どうも布基礎のイメージで描かれているので、以下では、ごく一般的になってきたベタ基礎の場合で示してみましょう。
たとえば、玄関付近の図のような位置を切ったところで見てみましょう。
(1)土間断熱の緩和ルールに従って断熱を省略するケース
まずはじめは、土間断熱の緩和基準(断熱を省略しても良い)に従った例です。
注意事項は先ほどお話ししたように、玄関扉はある程度以上の断熱仕様であること、そして図に示すような気密パッキンは省略できません。
内覧会で玄関からWIC付近に行き、足回りを見た時に、付框などがすんなりと納まっていて、特に出っ張っているようには感じられない時、このケースかもしれませんね。
(2)土間床断熱とする方法(比較的容易な断熱方法)
玄関土間に断熱施工をする場合、施工が比較的容易で確実な方法として、土間下に断熱材を敷く土間床断熱があります。
これに似た方法は、旧公庫基準でも示されていたようですが、その頃の条件は、1階床面積の10%以内の玄関土間で、地域区分が比較的温暖な地域に限って認められていました。
この断熱方法は、内覧会の時点では、付框部の納まりからは判断できませんね。
また、玄関の外周および内部の基礎立上がりの面そのものを断熱していないので、冬場では立上がりのコンクリートが外気に触れていて冷たくなり、それが玄関内側に面することになるという問題はあります。
(3)玄関基礎の外側から囲って断熱する方法
土間の周囲の基礎立上がりを外側から囲うように断熱する方法で、旧公庫基準の解説図にも載っていました。この断熱方法は、外部側については外断熱となります。
外部のポーチ部分のコンクリートと絶縁するので、理屈の上では断熱効果は高そうですが、その断熱材がシロアリの通り道とならないような対策が必要です。
この断熱方法も、内覧会の時点では、玄関内部の表面からは判断できません。しかし、床下進入調査で、床下点検口から入って玄関手前まで到達できれば、内側の断熱材の状況を確認できます。
ちなみに、旧公庫基準では、玄関ポーチと玄関基礎のコンクリート部分を連続させても良いと緩和しています。ポーチと基礎を断熱的に絶縁することが理屈上理想ですが、構造的にも分離されてしまうと、その表面がひび割れるといった実務上の課題も緩和の背景にあったのかも知れません。
(4)玄関基礎の内側まわりを断熱する方法
先ほどとは逆に、土間の基礎立上がりを土間の内側から断熱する方法です。
この方法では、土間の外壁側では付框が出っ張ります。また、土間全周の立上がり部分で断熱材が出てくるので仕上工事の手間が増えるかもしれません。
この方法では、一般に断熱材の内外の切り替えのような箇所がないので、すき間なく包むという点では安心感がありますね。
たとえば、この工事中の例は、次の写真のような感じです。
(5)玄関外周基礎は内側から、内部基礎は床下側から断熱する方法
先ほどの断熱方法に似ていますが、外周基礎は内側から、内部基礎については床下側に断熱材を設ける方法です。
(3)のような外断熱としない一方、(4)と異なり、上り框の下に断熱材が来ない分、玄関の仕上工事多少楽になるかもしれません。
この方法も付框が出っ張ります。また、床下進入調査で、玄関手前まで到達できれば、内側の断熱材の状況を確認できます。
(6)玄関基礎内側からの断熱+土間床断熱
この方法は(4)の玄関基礎の内側まわりの断熱に、さらに土間床断熱を加える方法です。
基礎断熱は、地熱と基礎コンクリートの蓄熱性に期待して土間スラブ下の断熱を行わないことも多いのですが、玄関のような住宅の端部まで、そうした地熱や蓄熱が期待できるかと言うと、少々疑問もあります。
この方法は、基礎断熱における、住宅の端部床下の弱点を補うものとも言えるかもしれません。
基礎で囲まれる玄関床の内側が、断熱材にて覆われるかたちなので、まさに「すっぽり包む」というイメージに近くなりますね。
(7)外周基礎は内側から、内部基礎は床下側から断熱+土間断熱
この方法は(5)の外周基礎は内側から、内部基礎は床下側からの断熱に、さらに土間床断熱を加える方法です。この方法は、(6)の方法と同様に、基礎断熱における、住宅の端部床下の弱点を補強するものとも言えます。
この方法も「断熱材ですっぽり包み込む」イメージに近いですね。内覧会では(5)同様、付框の出っ張りは目視確認、そして床下進入調査で玄関手前まで到達できれば、内側の断熱材の状況を確認できます。
新築内覧会で玄関の断熱を考えたこと
冒頭のS様邸の内覧会では、S様に拝見させていただいた図面の中に断熱の図面も入っていたので、上記の(5)の方法であることが分かりました。
なるほど、この絵はそんなふうに読めるのですね。玄関の「あれ」もこれ、か・・・
そんな感想をS様が漏らされたのが印象的でした。
別の内覧会(M様邸)では、事前に送っていただいた図面の中に断熱要領が入っていて、
・玄関土間等(SIC含む)の床面積合計が4㎡以下の場合は、断熱を省略できる
・上記を超えて、玄関のある階の床面積の1割以下の場合は、床面下に断熱材を敷設する
・それ以上の場合は、外気に面する基礎立ち上がり、面さない基礎立上がりとも断熱する
と、ありました(要約)。最初が先ほどの(1)の方法にあたり、ふたつめが(2)の方法、最後は(3)~(5)のいずれかの方法ですね。ちょうど、緩和される前の旧公庫基準を踏襲していますね。
外壁や屋根裏(天井裏)、床下の断熱の仕様は、仕上表や矩計(かなばかり)図に、まず記載されています。一歩進んで、今回のような「玄関・SICまわりの断熱仕様」まで指示されていれば、ちゃんと断熱にもこだわってくれている会社かな、と期待できますね。
新築内覧会の玄関のところで、S様ご夫妻が何気なく話された、玄関の「あれ」・・・
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