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中古住宅(戸建て、マンション)の購入の前に ~ 知っておくこと、調べておくこと

中古住宅の購入

住宅の購入に際して中古住宅を検討する動機はさまざまですが、以前に比べて、より積極的に中古戸建て、中古マンションを選ぶ方も増えてきました。

 

このところ、都市部を中心に、新築住宅の価格高騰や供給不足が言われています。

一方、住宅全体の総戸数は増え続けていて、家余りの中でも新築志向、というのがまだまだ我が国の住宅購入者の平均像のようです。

しかし、都市部の新築がいよいよ手の届かない存在となった昨今、それでも、たとえば立地を重視する人たちが、比較的割安な中古住宅を検討する、というようなケースも増えています。

その中には、消極的な理由からではなく、むしろ中古(既存)住宅のメリッを弁えて選択する、賢明な購入者の方にお目にかかることもあります。

N研-中尾-
住まいの質に関する知識や、住宅診断についての情報などが増えてきて、少しずつ価値観の違いとなって現われてきているのかなと思ったりします。

新築住宅と中古住宅

「新築」も、人が住めばもう「中古」

以前、ちょっとだけ新築志向を皮肉ってこう書きました。面白く思われなかった方もいたかもしれませんね。

しかし、新築住宅は、人が住んだ瞬間、そこでもう価格が一段下がる、とはよく言われます。その「一段」が購入価格の○割だとか何だとか。まあ、巨額な広告宣伝費の一戸あたり負担分やその他の経費分が含まれるのかも知れませんけれど。

少なくともそこに、住宅の性能や品質の差異はほとんどないわけで、この「一段」は「新築=未使用」といういわばブランド価値。たとえそれは一種の幻想、虚栄心のなせるワザ、などと言われても、日本人はそこに大きな価値を戦後ずっと見いだしてきたわけです。

 

「新築住宅」、「中古住宅」の定義

さて、この「新築=未使用」ブランドの定義についてですが・・・

新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。(「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」第二条「定義」第2項より)

したがって、反対に「中古住宅」とは・・・

完成後1年以上経過している建物、または完成後1年未満であっても一度でも入居があった建物

ということになります。

このように「新築住宅」というのは、①建築されて1年未満で、かつ人が住んだことがない住宅ですが、この範囲から外れるけれど、何とか「新しさ」を匂わせたいセールストークとして「築浅物件」「未入居物件」などと表現するわけですね。

築浅物件」は、完成後1年以内だけれど、実は人が住んだことがある住宅、これは実は「中古」。

未入居物件」は、完成後誰も住んだことがないけれど、1年を過ぎてしまった住宅、これも「中古」ですね。

N研-中尾-
こうして見ると「新築」とは、何ともはかない存在ですね。そのはかない瞬間に、日本人はこれまで大きな価値を見出してきた、と。だって、竣工直後でさえ住んだら中古」ですから・・・

 

「新築」は「中古」のはじまり

むしろこのように割り切れれば、自分たちの目的に合う住宅のうち、性能や品質の程度と価格との見合いから選ぶという合理的で賢明な消費者となれますね。

それが、住宅についても多くの情報を得ることができる新しい世代に多ように見受けられるのも分かるような気がします。

中古住宅の購入

合理的で賢明な消費者は、中古住宅も選択肢に入れることに躊躇ないようですね

 

中古戸建て住宅の購入

ひとくくりで中古住宅と言っても、このような定義からして、1年を超えた築年数の住宅はすべてそこに含まれます。

したがって、中古住宅(既存住宅)を検討する際は、その築年数に見合った住宅かどうかで判断することになるでしょう。

中古住宅の購入

中古住宅と、ひとくくにしてしまいがちですが、実はその範囲はとても広いわけですね(写真はイメージ)

築数年の戸建住宅の診断(インスペクション)依頼

  ・・・経年の確認でまたお願いするかもしれません。

私たちのインスペクション後のアンケートのコメント欄をこう締めくくっていただいたのは、築3年に満たない住宅の診断をご依頼いただいたお客様でした。

ある程度まとまった土地を開発して分譲された住宅の一軒で、たしかに分類的には中古」ですが、築数年ということもあり、外観に大きな経年変化も見られず中古の診断というより、むしろ内覧会に近い雰囲気でした。

N研-中尾-
中古」という言葉には、どこかくたびれたような響きを感じてしまう方も多いのでしょうけれど、それこそ「新築」のはかない瞬間の魔力に心奪われた証拠。この住宅のような例もあるのだな、診断当日、玄関前でそう感じました。

新築と違うのは、先に人が住まわれていた点ですが、ほぼ家財も運び出されていたので、いつもの内覧会の室内のようでした。

インスペクション当日には仲介の方も立ち会われましたが、この物件は新築時にも他社でインスペクションが行われていて、詳しいレポートも作成されていて、今回の引渡し書類に含めてお渡ししますとのことでした。

このお客様は、すでに契約を終えられ、ちょっと驚いたのですが、入居前にご自身でシロアリの業者屋根・外壁のクリーニング・補修の業者を手配済みで、そこに私たちのインスペクションも、という状況でした。

まず立地、そして気に入った間取りの築数年の住宅を選ばれたというわけです。住宅の場所だけでなく、まわりの環境、そしてどのような人たちが住んでいるかを知り、出来上がって数年ならばそろそろ初期のこまごました不具合も出尽くした状態のものを、床下、屋根、外壁をリニューアルして入居しようという、まさに合理的で賢明な消費者でした。

中古住宅の購入

補修や更新が必要な時期はまだ少し先、でも入居の前に基本的なところは済ませておく、というお考えでした

中古戸建て住宅購入時の注意点

さてそれでは、中古住宅購入の注意点を見ていきましょう。

(1)品質面での保証を確認する

新築住宅では、先ほどの「新築住宅の定義」のところに出てきた、「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」によって、品質面で10年間の保証(瑕疵担保責任)があります。

ただし、この保証は、住宅の躯体(構造耐力上主要な部分)と雨漏り(雨水の浸入を防止する部分)に限られます。

一方、中古住宅にはこの品確法の規定は適用されません。中古住宅では、(改正)民法上の「契約不適合責任」にもとづく請求ができることになっていて、住宅の購入者は、契約に不適合な内容を知ってから1年以内に売主に通知すれば良いことになっています。

しかし、この「契約不適合責任」というのは任意規定のため、契約当事者間で別の取り決め(特約)をすることが可能です。特に、売主が不動産会社でなく個人など(個人間売買)の場合、期間を短縮したり免責とする契約もあり得ます。

売主が不動産会社の場合は、宅地建物取引業法によって、通知期間は引渡しの日から2年未満とする契約は無効とされますので、2年とすることが一般的です。

また、大手を中心としてハウスメーカーでは、メーカーが独自に定める保証やアフターサービスもありますので、その内容を確認しておくことにしましょう。

このように、中古住宅では新築住宅に比べて、法令による保証が手厚いとは言えません。この点は、中古住宅購入においてまず第一に確認しておくポイントと言えます。

(2)ホームインスペクションの利用を考える

改正民法(2020年4月)の「契約不適合責任」は、旧民法の「瑕疵担保責任」に置き換わったものです。これにより「隠れたる瑕疵(かし)」でなくても、契約目的物の「種類、数量、品質」において契約内容との相違があった場合、売主に法的責任が発生することになりました。

しかし、一般の中古住宅購入者が、たとえば品質上の契約不適合を判断することは容易とは言えません。

この章のはじめにご紹介した依頼者は、築後数年の中古住宅であっても、プロの眼を通してインスペクションを行うのは当然のことと考えられていました。

まだまだ低いと言われるインスペクションの実施率ですが、それでも徐々に上昇しつつあります。

中古住宅の購入にあたっては、ホームインスペクションの利用をお考えください。

中古住宅の購入

中古住宅の購入にあたってはホームインスペクションの利用をご検討ください

(3)既存住宅売買瑕疵保険に加入しているか確認する

新築住宅の10年間の瑕疵担保責任にもとづく保証に比べると、中古住宅の瑕疵に備えた保証は手厚いとは言えません。

そこで、瑕疵に備える保険として、「既存住宅売買瑕疵保険」があります。

この保険は、加入するのが住宅購入者ではなく、売主が不動産会社(宅建業者)の場合は売主が加入し、売主が一般の方(個人間売買)の場合は通常は売主が検査事業者に加入を依頼します。

この保険は、中古住宅の検査保証がセットになった保険制度で、住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。

万一、後日住宅に欠陥が見つかった場合、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産の場合は買主)に支払われます。

保険期間は最長で5年。対象は、住宅の躯体(構造耐力上主要な部分)と雨漏り(雨水の浸入を防止する部分)。

中古住宅の場合、瑕疵担保責任(契約不適合責任)期間が短いことから、この期間を過ぎても補償を受けられる期間があるというのはメリットです。

中古住宅購入の際には、既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件かどうかを確認しましょう。

中古住宅の購入

その依頼者様は瑕疵保険への加入も確認済みでした

参考までに、この章冒頭の依頼様様とのやりとりのメールの一部です。

  ・・・契約も住んでおり瑕疵保険もある状況ですので、設備点検やリフォーム判断をメインにしたいと思います。(以下略)

中古戸建て住宅の購入にあたっては、この方のように用意周到でありたいものですね。

 

(4)中古住宅購入時にかかる費用

①消費税

 中古住宅の個人間売買では、消費税非課税です。

 一方、不動産会社が売主の場合は、建物に消費税がかかります。たとえば、不動産会社が中古住宅を買い取り、リノベーションして再販するような場合です。

②仲介手数料

 中古住宅取引の多くは、業者仲介によるものです。その場合、仲介手数料が必要になります。

 たとえば、400万円を超える取引の場合、「(売買価格)×3%+6万円」に消費税がかかります。1,000万円ほどでも、税込みで40万円近くなるので、あらかじめ確認しておきましょう。

③リフォーム費用

 中古住宅の場合、リフォーム済み物件を除いては、多くがリフォームを行います。

 リフォームの費用は、物件の築年数や経年劣化の度合いによっても、また購入者の考え方によっても、その額に大きく開きがあります。

 たとえば、この章のはじめの依頼者の例では、築後数年であったことから、室内はクリーニング程度に止め、床下と外装に当面の費用をかけたいというお考えでした。外壁はまだ再塗装の時期ではありませんが、今回高圧洗浄の後、ご自分たちの好みの色に塗装をご予定とのことでした。

 なお、リフォーム費用が大きく借入れを検討する場合、住宅ローンとリフォーム資金をセットにした住宅ローン商品を扱う金融機関もあるので、検討されると良いでしょう。

 

中古マンションの購入

「マンションは管理を買え」

では、次はマンションです。

中古住宅の購入

アウトフレームタイプの高層マンション、最上階の角部屋、その購入者様から診断のご依頼がありました(写真はイメージ)

  ・・・インスペクションをしたものの、仲介業者経由のインスペクション業者で事前説明も無く、また当方が現地到着前からインスペクションを始めた状態で、非常に不信感を募らせております。(以下略)

憤懣やるかたない、そんな感じの書き出しで、私たちの事務所に第三者としてのインスペクションの打診をいただいたのは、都市部駅近の中古マンションの購入者様でした。

諸事情から、隣県の住宅地からこの高層マンションに移ることを選択され、すでに手付けも支払ったとのこと。

最上階角部屋、二面バルコニーの見晴らしの良い住戸でしたが、そこに至るまでのエントランス、エレベーターホール、廊下など共用部の管理はしっかりしているように思われました。

依頼者は、管理組合の理事長にも面会され、当マンションの管理の現状などもすでにヒアリングされたとのこと。

皆様ご存じのように、マンションは戸建て住宅と異なり、維持管理の意思決定は管理組合が行い、実際の業務はその委託先である管理会社が行います。

新築マンションの場合は、その管理がどのように行われるか、予定の管理会社の知名度などから推測するしかありませんが、中古マンションの場合は、実際に行われている管理状況を見ることができます

マンションは管理を買え」と良く言われますが、新築時の販売用パンフレットに載る完成予想図の姿が何年か後にどのようになっているか、それは管理次第だからです。

マンションの管理は、マンションの資産価値に直結します。購入時の価値が、不十分な維持管理によって毀損されてしまわないようにしなくてはいけません。

管理の状況を確認できると言う意味においては、中古マンションのほうが新築マンションより優位であるとさえ言えるかも知れません。

 

中古マンション購入時の注意点

それではこうした観点に立って、中古マンション購入時の注意点を見てゆきましょう。

(1)日常および定期的な維持管理は適切に行われているか

先ほどの例にもありますが、共用部分の清掃状況は、重要なポイントです。エントランスエレベーターホールのほか、駐輪場ゴミ集積場の整理・清掃、外構の手入れなど、共用部分の管理状況は、直接眼にすることができるので、まずは注意を払いましょう。

また、定期的な設備管理状況も重要です。特に、給排水設備が定期的にメンテナンスされていることは確認しておきたい点です。

これらは、売主へのヒアリングのほか、管理委託契約書決算報告書などによって確認することができます。

(2)長期修繕計画は作成されているか、計画にもとづいて修繕積立金は積み立てられているか

最近では、マンション購入予定者にも長期修繕計画の重要性が徐々に認識されるようになってきました。問題は、その計画どおりに修繕が行われているかという点と、修繕計画の見直しが行われているかという点です。修繕積立金が計画どおりに積み立てられていなければ修繕の実施は困難ですし、必要に応じて修繕積立金の見直しも必要になってきます。

長期修繕計画は、マンションの資産価値を維持するために必要なものですが、修繕積立金の値上げは組合員(住民)の理解が必要なため、組合で提案されても見送りにされている場合もあります。

(3)「マンションのふたつの高齢化問題」に直面していないか

中古の分譲マンションには、経年により「ふたつの高齢化問題」が生じるおそれがあります。

ひとつ目は、住民自身の高齢化。高齢者が増えたマンションでは、高齢者の孤立化といった社会的問題と同時に、管理費や修繕費の値上げに応じられないという可能性が高まります。さらには、滞納という問題にもつながります。

もうひとつは、建物自体の高齢化、つまり老朽化の問題です。

これは、先ほどの修繕計画積立金の問題につながります。

中古住宅の購入

中古マンションの購入では、マンションの管理状態の確認が最大のポイントです

(4)該当住戸の売主に管理費や修繕積立金の滞納はないか

マンション全体で見た場合のこうした高齢化問題とは別に、購入予定の住戸の売主自身に滞納がある場合、購入者はその債務を引き継ぐことになります。

マンション全体での滞納率の問題のほか、対象住戸自体に滞納がないか、事前に確認しておきましょう。

なお、仲介の不動産業者は、売買契約の前に「重要事項説明書」の中で、管理費や修繕積立金、その滞納の有無などについて説明することにはなっていますが、必ずしも細かなところまで説明されるとも限らないので、注意が必要です。

(5)マンションの竣工図書は保管・維持されているか

本来、管理組合は、マンションの建物、敷地及び付属施設の管理のために、マンションの設計図書の管理を行うこととなっています。

しかし、一般に設計図書というのはかなりの量になることもあり、そのマンションの完全な設計図(竣工図)が揃っていないという場合もあります。設備図面電気図面は、管理のために不可欠ですし、構造図面も修繕の際に必要になることもありますので、どれが欠けてもマンションの維持管理上支障があります。

中古住宅の購入

マンションの管理上の問題点を知るには、管理組合の理事会や総会の議事録を閲覧させてもらう方法があります

この章冒頭の依頼者様から、報告書提出後長いメールをいただきました。その一部を引用します。

  ・・・やはり自分たちが安心して暮らすためには自分自身が理解をし、疑問点を明らかにしていかないと後々、後悔することとなると痛感致しました。同じ轍(注:最初の他社インスペクションのこと)を踏まぬよう、本インスペクション結果をもとに引き続き建物管理組合と向き合い、安心安全に暮らしていければと思います。(以下略、注記N研)

ここにもまた、住宅の質について意識の高い方がいらっしゃった、ということですね。

 

中古住宅は将来を考えてみる

どのくらいこの家に住み続けたいか、そのためには

新築、中古いずれの場合でも、購入の時点では、そこに住みはじめることに関心が集中しているので、この先のメンテナンスのことや大規模修繕、さらにもっとその先の住替え建替えにまでは、一般的にはなかなか思い及ばないことでしょう。

しかし、ある程度経年した中古住宅では、当面の予定として「どのくらいこの家に住み続けたいか」という観点も持っておきましょう。

一例を挙げるなら、以前も書きましたが、戸建て住宅の場合の「屋根」。

まず、メンテナンス(維持管理)のサイクルについては、このコラムで触れました。

「新築」も人が住めばもう「中古」 ~ 「屋根」を考える:化粧スレート?それとも瓦?

今回は「屋根」について考えます 目次1 1.真新しい「新築」でも、人が住めば、もう「中古」2 2.「新築」は「中古」のはじまり!:工事完了は劣化開始 ~ メンテナンスを時系列で捉える3 3.「屋根」に ...

続きを見る

そして、補修・交換時期を過ぎてしまった場合のリスクについては、次のコラムがあります。

住宅診断結果報告、その数ヶ月後に起きたこと(化粧スレート葺き)

戸建てを持つ・・・ということは、維持管理はすべて自己責任。 最近では売り手側も、アフターケアもビジネス機会と捉えて、フォローするところが増えてきましたが、やはり維持管理の主体は所有者様ご本人。 &nb ...

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屋根は、そのおかれた環境によって経年劣化の度合いは異なりますが、たとえば一般論として、化粧スレートの場合望ましいサイクルは、10年おきに再塗装30年目に葺替えと言われています。

この場合、築後30年相当の頃を過ぎて住み続けたい場合、その頃の屋根葺替えを考えるのが望ましく、さらに躯体などが維持できた場合、築後60年ころの次の葺替えまでを考えるか、それともその前に、住替え建替えを考えるかと言った問題があります。

ここで、60年なんて、とても・・・と思われるかも知れません。

確かに、かつては、木造の戸建て住宅は寿命30年などと言われていました。

しかし、今や人間の長寿命化もふまえて、長く住むということが課題になってきました。

長く住める住宅
「長く住める住宅」について考える

長く住める住宅 住宅の購入を考えた人なら、長期優良住宅という制度を耳にしたことがあるでしょう。そして、ネットで見たり説明を受けたりすると、まず税制上のメリットがあることを知り、その一方で技術的な認定基 ...

続きを見る

このコラムでは長期優良住宅について取り上げましたが、「長期優良住宅の『長期』とは3世代が目標などとお話ししています。3世代とはおよそ75~90年くらいのイメージです。

もちろん、何もしないで3世代とは行きません

適切なメンテナンス・サイクルを考慮した維持管理計画に従って手を加えてゆく必要があります。

なお、新築時に長期優良住宅の認定を受けた住宅が、その後中古住宅として売買された場合、その住宅を新たに取得した人は、所管行政庁の承認を得ることでその地位を承継できます。

よくネットなどで、この制度のデメリットとして、維持保全計画に従って定期点検が必要なこと、を挙げているものがありますが、認定を受けた住宅であってもなくても、維持管理を放棄した住宅が長持ちするとは言えないでしょう

「新築」も、住んでしまえば、もう「中古」。住宅に住みはじめたら、もうすべて中古住宅と捉えて、定期的なメンテナンスを心がけましょう

中古住宅の購入

中古マンションの管理に関する認定と評価の制度ができました

中古マンションの管理、その認定と評価の制度

次に、中古マンションの管理に関わる最新の動向として、管理の「認定」と「評価」の制度について触れておきましょう。

2022年4月から、マンションの管理状態を認定・評価する制度が始まりました。

国土交通省による「管理計画認定制度」と、一般社団法人マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」です。

マンションの「管理計画認定制度」は、2020年に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が改正されて始められた、マンション管理に関する計画各自治体が認定する制度です。

一方の「マンション管理適正評価制度」は、マンション管理業協会が統一的な基準を定めて6段階で評価」するというものです。

どちらも任意の制度で、認定を受けたり、評価を受けることについては、各マンションの管理組合の判断になりますが、マンションの資産価値の維持向上につながることが期待されます。

ネットで検索するとすでに多くの記事が載っていますが、この両制度の効果については、今しばらく観察をした上で、改めて取り上げてみたいと思います。

中古住宅の購入

人が住むすべての住宅は中古  定期の健康診断を受けましょう

人が住むすべての住宅は「中古」、中古住宅は定期的に健康診断が肝心

今回は、中古住宅の購入についての話題でした。

ホームインスペクションの立場からすると、この時点での調査・診断が一番大切な時期ですが、それと同時にその後の定期的な健康診断も大切です。

  ・・・経年の確認でまたお願いするかもしれません。

このように書いていただいたお客様は、「経年」を意識されていて、定期的に住宅の状況を確認することをすでにお考えのようです。

この方は、ちゃんと分かっていらっしゃる、そう感じました。

N研-中尾-
いつもお話しすることですが、インスペクションをみずからご依頼いただくお客様の多くは、お住まいの質そしてその維持管理に対する意識が高いなと関心させられます。

 

 

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