私たちの事務所とお客様が、実際にはじめてコンタクトするのは、多くの場合、ホームページの「お問い合わせ」からです。
この「お問い合せ」は、住宅診断・相談の内容そのものに関するものや、希望する日時についてのものが、もちろん多いのですが、実はそれよりも、
「○○診断をお願いしたいのですが、費用はいくらになりますか?」
「○月○日に内覧会があります。同行の見積もりをお願いします。」
というような、診断費用・料金に関するお問い合わせが多いです。
スケジュールの確認のあと、
「料金は○○と認識しておりますが、よろしいでしょうか。」
という、念押しタイプのしっかりした方もいらっしゃいます。大切なことです。
もちろん、どのお客様にも、お見積もり書をお届けして、確認していただきます。
私たちの事務所は、年初にその年の診断料金をお知らせしています。高品質な診断サービスを、廉価でご提供、が基本姿勢です。
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住宅診断料金(インスペクション費用)2023年版のお知らせ
N研(中尾建築研究室)の新築診断、中古診断、ご自宅診断、および住宅相談(耐震診断)の料金表を本年版に改めました。 (一部金額の変更はありますが、「高品質な診断・調査を、低価格でご提供します」という基本 ...
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目次
まずはN研(中尾建築研究室)のインスペクション費用のご紹介
高品質を、低価格で
お話ししたいことはいろいろありますが、まずは私たちN研(中尾建築研究室)のインスペクション費用の抜粋をお示しします。
よく、「インスペクション費用の相場は5万円・・・」などとありますが、私たちの事務所は
高品質な診断・調査を、低価格でご提供します
を、事務所方針の第一に掲げていますので、あくまで「高品質を、低価格で」です。
以下の診断料金はいずれも、「①基本料金 + ②交通費など + ③オプション費用」の合計で、税込み表示です。(2023年版です)
N研(中尾建築研究室) 新築住宅(戸建て、マンション)の内覧会同行費用
新築戸建て 内覧会同行(2023年版) |
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①基本料金 |
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②交通費など |
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③オプション例 |
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新築マンション 内覧会同行(2023年版) |
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①基本料金 |
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②交通費など |
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③オプション例 |
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上表は一部を抜粋したものです。詳しくは、内覧会同行サービス料金表をご覧ください。
N研(中尾建築研究室) 中古住宅(戸建て、マンション)のインスペクション費用
中古(既存)戸建て インスペクション(2023年版) |
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①基本料金 |
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②交通費など |
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③オプション例 |
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中古(既存)マンション インスペクション(2023年版) |
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①基本料金 |
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②交通費など |
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③オプション例 |
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上表は一部を抜粋したものです。詳しくは、中古住宅診断サービス料金表をご覧ください。
それでは、インスペクションの費用に関して、少しお話をいたしましょう。
百花繚乱・・・インスペクションとその費用
「相場」そして「料金表」の現実
はじめに雑談から・・・
ネットの解説などを見ると、「インスペクション費用の相場は5万円~」などと書かれていますね。
もっとも、こうした「相場」解説の一方で、「いやいや、そうではなく、その内容の違いが大切で・・・」というような声も聞こえてきます。
確かに、新築と既存(中古)、あるいは、戸建てとマンションでは、費用に差がありそうですね。それぞれの住宅の規模(面積)によっても違いはあるでしょう。
戸建てであれば、小屋裏(屋根裏)進入や床下進入調査の有無によっても異なるでしょう。
これらを、細かく分類した「料金表」を、ほとんどの各社が自社のサイトに載せているのですが、どうやら始めてインスペクションを依頼されるお客様には、これがピンと来ないようです。
ですから、たとえば、
「進入調査も含めて一式で○○万円がおトクです。他社はオプションで加算されるので・・・」
みたいな、よくあるセールス・トークは、はじめてのお客様に訴求するのかなと思ったりします。余計なお世話ではありますが。
そもそも、都市型住宅などの場合、進入すべき小屋裏がほとんどない、ということも少なくありません。母屋下がりの屋根面下の居室、そして、屋上はルーフバルコニーと塔屋のみ、といったぎりぎりの設計。
そうした住宅に、小屋裏(屋根裏)進入も含んで・・・もありませんね。
実際、塔屋の下付近に天井点検口があり、そこから部分的に何とか上半身だけ入り込んで観察という住宅もありました。
また、最近の新築でも、天井点検口なし、という戸建て住宅もあります。
あるいは、ちゃんと天井点検口があって、小屋裏(屋根裏)に上がれたものの、斜線制限をクリアするため小屋裏が非常に狭小な都市型住宅もあります。
それらに対して、一律に「天井裏進入調査○万円」と請求すべきなのかどうなのか。そうした現実的な事情に対しては、ネットの「相場」は答えてくれませんね。
ちなみに私たちの事務所では、なるべく事前に図面などを拝見した上で、上記ようなの経験もふまえて、こうした現実的な事情をまずお話しするようにしています。
はじめは皆様、「小屋裏も床下もすべて・・・」と、ご希望の方が多いのですが、事情を説明すると、「・・・では当日現地で判断しましょう」ということになる方も少なくありません。
百花繚乱インスペクション広告と「賢明な消費者」
話が横道に逸れてしまいましたが、インスペクションの費用というのは、漠然としています。
たとえば、不動産仲介には手数料の「上限」が決められています(宅建業法第46条)。また、建物の設計料には「業務報酬基準」という目安があります(建築士法第25条)。
インスペクションには、今のところ、こうした上限や目安がありません。
そのためインスペクション費用は百花繚乱、というのが実際です。
リフォーム工事や防蟻工事など、診断以外の仕事を獲得する目的で行われる、いわば「サービス・インスペクション」はひとまず別にして、他の仕事の獲得のためではなく、インスペクションを「業として行う」事務所の多くは、紹介や口コミもあるでしょうけれど、事業規模に応じた広告によって仕事(診断依頼)を獲得していると思います。
しかし、その「広告」に関連して、また話が逸れますが、なるほどと思ったお話しをいただいたことがあります。これは我田引水の創作ではなく、本当にいただいたメールからです。
ネットで検索すると、たしかに多くの会社があるようですが、広告へのお金の掛け方でヒット順番も変わることもあり、( 略 )の検索機能を利用しました。(以下略、一部太字化はN研)
内覧会の同行・立会いのご依頼の方でしたが、住宅診断の依頼先を選択するのに、意識が高い方は、百花繚乱状態のネットの「広告」についても、こんなにクールに見ているのだなと、あらためて感心した次第でした。これは、同業の方も知っておくと良いかも、ですね。
さて、「費用」からは少し離れますが、インスペクションをご依頼いただく、こうしたクールな、いわば「賢明な消費者」に関して、もう一例。
○月○日にインスペクションをしたものの、仲介業者経由のインスペクション業者で(中略)非常に不信感を募らせております。その為、再度のインスペクションの実施、並びに引渡し日の延期を調整してもらっている状況ですが、貴社に診断頂きたく・・・(以下略、一部太字化はN研)
このように始まるメールで、中古住宅購入に際して、いわばインスペクションのセカンドオピニオンを得たいとのご意向。前回のインスペクションは不動産会社の紹介だったものの、報告書の提出もなく、費用についても結局どうなのかその時点では不明。
引渡しを1ヶ月遅らせることで売主側と合意したので、今度は第三者の立場のインスペクションを行いたいとのこと。
そのため、ご自身でインスペクション事務所を探すのに「検索に検索を重ね・・・」とありました。お問い合わせをいただいた私たちの事務所としては、ちょっと誇らしいお話でもありましたが、ご本人は最初の不信感から、他人まかせであったことを反省されてのご依頼でした。
そして、お問い合わせから実際の診断の日まで時間があったので、インスペクションのこと、マンション建築のこと、図面内容のこと、管理組合とのことなど、いろいろなことをメールでお話しでき、また参考資料も差し上げることができました。
その中で、ちょっと驚かれたのが、診断実施に先立ち「業務委託契約書」を交わすというインスペクションの常識。結局、前回の「インスペクション」は何だったのでしょうね、ということになりました。しかし、こんな「インスペクションもどき」もあるのですね。例外的なものとは思いますが、要注意です。
診断当日は時間をかけて詳しく拝見できました。後日、私たちの「診断報告書」をとても喜んでいただき、診断する側としても、とても励みになったお客様でした。
インスペクションという新しい職能・・・その業務報酬としてのインスペクション費用
建築士の職能となったホームインスペクション
建築士と既存住宅状況調査(インスペクション)資格の関係については、以前書いたことがあります。
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おすすめ?必要?不要?ホームインスペクションとは一体?
おすすめ?必要?不要?ホームインスペクションとは一体? 目次1 ホームインスペクションは「住まいの健康診断!」決して不要ではありません!2 実はちょっと混乱気味の「ホームインスペクション」という言葉3 ...
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建築士資格の取得には、「建築士試験合格」だけでなく、一定年数の「実務経験」が必要です。
この「実務経験」は、建物の設計実務や工事監理実務、建築行政実務などが該当するとされてきました。
最近の建築士法の改正(2020年)で、この建築士資格登録に必要な実務経験に「既存住宅状況調査」、すなわち既存(中古)住宅のインスペクションも含まれることになりました。
これは、2018年の宅建業法改正に伴い、中古住宅売買の際に「既存住宅状況調査」実施の有無を説明することが義務化されたこととも関連していますが、いずれにしても、設計実務や監理実務と並んで、インスペクションが建築士の職能として、間接的ながら法的に認められたわけです。
こうして法的な整備がなされつつありますが、国側のかけ声にもかかわらず、今現在のインスペクション市場は、まだ需要と供給のバランスが取れていないのが実情です。
インスペクションの費用は「金額」と「業務の質」で判断すべき
こうした流れの中で、この先、インスペクションの費用について、調査実務の業務報酬として何らかの目安のようなものが形成されてゆくのか、あるいは逆に、百花繚乱の中で広告合戦や費用のたたき合いが激化するのか、まだ何とも言えません。
ただひとつ言えるのは、インスペクション広告合戦の中では、なるほど費用の安さは依頼先選定のポイントとなりますが、たいせつなのは言うまでもなく業務の中身とその「質」であるということ。
さきほど「基本料金」と「オプション料金」と並べましたが、ではその「基本料金」の基本とはどのような内容なのか、依頼者が漠然とながら期待されている基本調査ひとつとっても、実は差があるのではないでしょうか。
身近な事例を取り上げてみましょう。
たとえば、ある新築戸建ての内覧会で、浴室(ユニットバス)の床下の断熱材を配管が貫通している箇所に隙間が見られるところがありました。基本調査である、床下点検口からの観察だけでも分かりました。
この場合、ユニットバスが床断熱仕様(床パネル自体が断熱構造)なのか、床が断熱仕様でなく基礎断熱を前提とした仕様かで指摘の記載も変わりますが、このお話しの前に、そもそも一般の依頼者の方には、基礎断熱と床断熱の違いをざっと理解していただく必要があります。
こうした場合、説明用の略図を添えています。それでもまだ分かりにくい時は、さらに参考写真を添えることもあります。
浴室床下を基礎断熱とする場合、UB床下に入るための点検用(進入用)の断熱パネルに配管類を貫通させてしまっては、将来進入する場合に支障があります。次の写真のように、配管類は、点検パネル位置を避けた基礎の壁に貫通させて断熱処理すべきです。さらに、基礎の断熱材をカットして点検口とする例が多いですが、専用の断熱点検口とするのがより望ましいでしょう。
(もう少し具体的には、別のコラム中の「省エネルギー対策」の項参照)
また、ある中古マンションのインスペクションでは、ユニットバスの天井内のダクトが写真だけでは錯綜して見えてしまうので、平面図にダクトルートを重ねた説明図を添えたこともあります。
これらの例では、「指摘箇所の写真に説明文を添える」という一般的な報告スタイルだけでは、素人の依頼者には理解するのが大変であろうと思い、説明図や模式図を付け加えてみました。さらにまた、不具合箇所の指摘だけでなく、診断時に問題が見られなかった箇所についても、今後のメンテナンスや注意事項についても、できるだけコメントするようにしています。
内容的には同業であれば常識的なレベルのものも多いのですが、それを素人の依頼者が理解しやすいように説明を工夫すること、そうした点は「業務の質」を高めることにつながると考えます。
累計取扱い実績数や所属所員数、時には報告書の分量など、「量」の多さを競う広告合戦も散見されますが、依頼者から見たインスペクションの費用対効果は、「金額」と「業務の質」で判断すべきでしょう。
まとめ:ホームインスペクションの費用
では、今回のまとめです。
①N研(中尾建築研究室)のホームインスペクション費用は基本、戸建て3万円台、マンション2万円台からです。詳しくはホームページをご参照ください。
②インスペクション費用の「相場」は百花繚乱状態。最初の「お問い合わせ」には、費用を確認したいというものが多いです。まずはご希望と図面で実施可能な調査費用をお見積もりしています。
③意識の高い依頼者の中には、インスペクションの広告もクールに見ている方もいらっしゃるという事実。このことは、インスペクションの同業含めて、心すべきことではあります。
④建築士法の改正によって、既存住宅状況調査(既存住宅のインスペクション)が建築士の職能として間接的ながら法的に認められました。しかし、その一方で、インスペクションの需給バランスは取れていません。
⑤インスペクションの費用は、「金額」と「業務の質」の両面から判断すべき。診断する私たちの側も、プロとして、理解しやすい説明を提供することを心がけています。
N 研インスペクション ~ N 研(中尾建築研究室)の住宅診断 お問い合わせ・お申し込み
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N 研(中尾建築研究室)の住宅診断 ~ 代表が直接担当いたします
住宅診断にはN 研(中尾建築研究室)代表の中尾がお伺いします。業務の内容によっては、補助メンバーや、ご要望により英語通訳が同行する場合もありますが、 原則代表がメインでご対応いたします。
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