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コロナ時代の住宅 ~ コロナ禍が住まいにもたらしたもの

コロナ時代の住宅

住まいのコロナ対策と言えば、まず手洗い、うがい・・・洗面台の役割が見直されましたね

コロナ①:ワークスタイルの変化と住まい

ここでもコロナ・・・の時代

このところ、内覧会竣工検査などで新しい住宅を拝見すると、玄関やその近くに手洗い器をよく見かけます。「ああ、これもやはりコロナ対策なのかも」と思ったりします。

N研-中尾-
これはほんのちょっとした気付きですが、これに限らず、さまざまな「ここでもコロナ」。今回は、コロナ時代の住宅について考えて見ましょう。
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家の玄関で手洗いを・・・あらためて考えると、確かに合理的ですね

思い返してみると、コロナの危険性が一般に知られるのと同時に、生活の中で如何にしてウイルス感染を避けるかが模索されました。そして、そうした模索は、私たちの住まい住み方にも直接・間接に影響しました。

今回は、それを「①ワークスタイルの変化」や「②コロナに対する衛生意識」そして「③コロナ禍による供給側の問題」の観点から取り上げてみましょう。

在宅勤務の定着と住まい

さて、今でこそすっかり常識化してしまいましたが、コロナ発生当初は、感染拡大を防ぐためにオフィスへの出勤者数を抑制することは、大きな社会的混乱を招きました。

しかし、それを何とか乗り越えたのが、テレワークというワーク・スタイルの変化でした。

テレワークは、「情報通信技術(ICT)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」という意味があり、在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィスなどがあります。(厚生労働省:テレワーク総合ポータルサイト)

テレワークが、一時避難的な勤務形態ではなく、新しいワークスタイルとなる、ということが社会の共通認識となるにつれて、特に在宅勤務では、住まいのどこで仕事をするか、そして、家族とともに過ごす場とどのように折り合いを付けるかといったことが切実な問題になってきました。

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在宅勤務は小部屋がひとつあれば・・・しかし、コロナが続きライフスタイルにまで影響すると、それだけの問題ではなくなります

新しい住まいのかたちのはじまり

在宅ワークと言えば、住宅の中に、如何にしてワークスペースを組み込むか、ということがまず思い浮かびますね。

しかし、それは必ずしも仕事用の個室を確保するということに限るものではなく、たとえば子供の面倒も見ながら仕事をすることができるとか、家事をしながら在宅ワークができるといった、住まい空間をフレキシブルに工夫することも含まれます。

一方で、オンライン会議などの際には、ある程度独立した空間が欲しい、と言ったように、コロナ前では通勤先のオフィスが担ってきたものが、個々の住宅の中に入り込んできて、それが新しい住まいのかたちとなりつつあります。

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在宅で仕事をすること・・・仕事と家庭という、今まで区分されていたものの境界が微妙になりますね

マンションの小空間では

話を仕事部屋に戻しますと、たとえば、マンションでは、以前からDENとかサービスルームといった名前の、比較的フレキシブルに使われる小部屋がありました。

ここへきて、そうした小空間を在宅ワーク用スペースとして積極的にセールスポイントとしたり、あるいは、本来は大収納を売り物にしていたものを、その大きめの収納スペース在宅ワークスペースともできるというオプションを提示したりしています。

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収納スペースを書斎に・・・というのは以前からありました。コロナによりそれが積極的になったということですね(写真はイメージ)

 

DENには、巣、ねぐら、洞くつ、隠れ家などのほか、書斎や私室といった意味もあります。マンションでは、以前は居室とは表記しにくいサービスルームなどと並んだ扱いの小部屋でした。収納として書斎として、など自由な使われ方ができたことが、このコロナ禍で、がぜん脚光を浴び始めたというわけです。

 

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リビングの一画に作業スペースを設けるような工夫は以前からありました。仕事と家庭の境界があいまいな今、新しい意味を持つかもしれませんね

 

「お家時間」が伸びて、起きた変化

ワークスタイルの変化は、在宅時間いわゆる、お家時間の長期化につながりました。

感染回避のために買い物時間を短縮(まとめ買いや通販・デリバリーの利用など)する傾向も、それに拍車をかけています。まとめ買いという購買スタイルは、住まいの収納スペースについてその量とレイアウトへの関心へとつながっています。

このように、家で過ごす時間が長くなると、ひとつには光熱費の増加という切実な問題が意識されるようになり、賢明なご家庭では「住まいの省エネ化」への関心を高めています。

なお、住まいの省エネ化については、以前取扱いました。

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家で長く過ごすのであれば、できるだけ快適に過ごしたい、という「住まいの快適さ」への関心も高まります。それはインテリアだけでなく、室内環境を支える住宅設備への関心へとつながります。

こうした住宅設備については、次の項で扱います。

 

コロナ②:衛生意識の高まりと住まい

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私たちが自分で行うウィルス対策といえば、マスク、手洗い、うがいですね。そして、住まいの観点からすれば、まずウイルスを持ち込まないこと。さらに、ウィルスに触れないようにすること。ここでは、具体的に図面なども見ながら考えてゆきましょう。
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ウィルスを持ち込まない・・・玄関手洗いは、家の入口で遮断すること

手洗い・うがい・洗面、そして収納・・・まず「玄関除菌」

今回のはじめにお話ししたように、玄関付近に手洗い器を設置する例が増えてきました。

同時に、玄関に充分な収納を取るという傾向も一般化してきました。外から帰ってきて、ウイルスをなるべく持ち込まないための工夫ですね。

もちろん、コロナ以前から始まっていたものもありますし、偶然「玄関除菌になるような水回りの構成というものもあります。

しかし、たとえば次のケースは、はっきりと玄関除菌を意識して、もともとは浴室前の洗面脱衣室に設置する計画だった洗面台を、玄関側に移動し、クローゼット横にした例です。

建売住宅を早い段階で見つけたので、洗面台をどうしても移してくださいとお願いしました。(奥様)

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玄関ホール側に手洗い器を移動した例

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(原案)脱衣室内に洗面化粧台。これを移動してもらったとのこと

LDKに入る前に、玄関ホールにクローゼット手洗い器、そこからそのまま脱衣室・浴室でシャワーという動きも可能ですね。

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洗面台は脱衣室内でなく玄関ホールに、というお考え(写真はイメージ)

玄関収納・・・靴や上着、バッグや鞄を生活空間まで持ち込まない「玄関脇のクローゼット」

次の二つの例も、同じように、玄関ホールに洗面台を設置した例です。この2例は、玄関土間から直接入れる大きめの収納があります。

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コンパクトな玄関ホールですが、玄関入口からは見えない洗面台

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こちらは玄関からさりげなく見える洗面台

ちょっと余談ですが、これらの戸建てでは、洗面化粧台の両側に壁があり、洗面台と両側壁の間に隙間があいてしまったのをどうするか悩んでおられました。

下の例は、隙間をシールするという一般的な例ですが、シールと洗面台の幅を考慮して壁の仕上げ位置を決めることが大切ですね。

基本的なことですが、上のうち一方は、狭すぎて洗面台搬入時にクロス破損、他方はシールが無理なほど広くあいてしまっていました。隙間用のパッキンも売られていますが、ここはきれいに納めたいものですね。

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両側が壁の場合、壁の内法寸法をしっかり管理して両端シール

動線分離とゾーニング・・・家庭内療養の場合も想定し、感染家族とその他家族のゾーンを分離

次の例は玄関ホールに上がる前、玄関土間に手洗い器を設置した例です。

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玄関で靴を脱ぐ前に手洗い・・・こうした例も増えてきました

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玄関に置く手洗い器はおしゃれなものも(写真はイメージ)

下足を脱ぐ前手洗い・うがい・洗面、そしてクローゼット。ここから先には、持ち込まない、という意思が伝わってきますね。

そして、もうひとつ。

玄関ホールから引き戸を開けて入って、一方はLDK、もう一方はすぐ階段で個室へ。また、浴室の洗面脱衣へも直接行けます万一の場合、LDKを経由しないで個室に行けるという、動線上の配慮もうかがえます。

この例はそれほど厳密ではありませんが、ウイルスを持ち込む可能性のあるゾーンその他のゾーンを区分し、動線の交差を避ける、というのがセオリーではあります。

それには、

玄関から個室に直行できる部屋配置

玄関から直ちに洗面・浴室に行けるルート

家族感染者が出た場合トイレや浴室に直接アクセスできるルート

を想定しておくことが望ましいと言えます。

独立した玄関手洗い器でなくても・・・水回りの配置を工夫して「玄関脇の手洗い器」

次の二例はどちらも、手洗い器を玄関付近に独立的に設けず浴室の洗面化粧台を玄関付近に配置して、玄関から洗面台に直行できるという例です。

コロナ対策という意図があったかどうかはわかりませんが、洗面脱衣室への入口を引き戸として、普段は開放状態にしておくことで、玄関脇に手洗い器があるのと同様な効果がありますね。

しかも、そのままシャワーを浴びることもできます

一方が戸建て、他方がマンションです。

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玄関ホール近接の洗面脱衣室。入口が引き戸で手洗いに直行可能

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マンションの例。やはり洗面台に直行可能

主動線の途中に手洗い器・・・「敢えて手洗い器を見せる」という方法も

玄関すぐに手洗い器を置かない場合でも、玄関ホールから居室に移動してゆく間に、洗面台を配置するという方法もあります。

次の例は、玄関土間にかなり大きめの収納スペースを設け、普段はこちらを主動線としている例です。その収納部を出たところに、見栄えの良い手洗い器広いカウンター。この横を通る時、嫌でも目に付く手洗い器、といわけですね。

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玄関から収納を経て居室に向かう途中に洗面台

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手動線に面する洗面台、やはり見栄えも気にして(写真はイメージ)

 

以上、「玄関除菌」のいくつかの例でした。

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手洗い・うがい・洗面、そして収納・・・これらの機能を玄関から室内に移動する主動線にからめる、というのがポイントですね。

 

長くなった「お家時間」を、クリーンに快適に過ごしたい・・・換気設備について

家庭のコロナ対策として、「手洗い・うがい・洗面行動とならんで推奨されたのが「室内の換気」。

住宅の必要な換気回数は0.5回/h、これはつまり、2時間で室内の空気全部が入れ替わる換気する)という意味です。

建築基準法が改正されて、2003(平成15)年7月以降の住宅では「24時間換気」が義務づけられています。これは、高気密・高断熱の住宅が一般化してきたことによるもので、最近の住宅ではごく普通についています

その機械換気の方式住宅の場合一種換気(給気と排気両方とも機械式)、または三種換気(排気のみ機械式、給気は自然給気)が採用されますが、どちらの場合も、たとえば冬場は外の冷たい空気を室内に取り込むため、室温が下がってしまいます

それをエアコンで温め直すわけですが、熱のロス(損失)があり、また快適な室内環境とは言いがたいわけです。その結果、換気を怠ってしまうという悪循環になってしまいます。

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一種換気(左)と三種換気(右)。機械(ファン)が、空気の入口・出口に付いているか、出口だけかの違いです。

そこでこの弱点を解消して、室内の熱を逃がさないで、空気のみを入れ換えるタイプの換気扇が考え出されました。それが「熱交換換気システム」と呼ばれるものです。

この換気システムには顕熱交換方式全熱交換方式があり、前者は熱だけを回収交換する方式、後者は熱だけでなく湿度も交換します。

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熱交換器(出典:Panasonicホームページ)

熱交換換気システムは正しく使えば、換気にともなう冷暖房熱のロスが減るので省エネ効果があり、室温低下も抑えられるので快適に過ごせます

このシステムのデメリットは、①初期コスト(設備コスト)が高く定期的なメンテナンスが必要なこと、③メンテナンスのコストがかかるという点です。他の方式にも言えることですが、機械換気ですから、フィルターの点検や交換を怠ってはいけません

こうした注意事項を守った上で、24時間換気で室内の空気を常にクリーンに保ち、さらに熱交換換気で温度環境も一定に保つことができるので、省エネ性快適性を得ることができます。

接触による感染の回避・・・「タッチレス機器」の採用、「抗菌・抗ウイルス建材」の使用

玄関で手洗いをする目的は、家の外からのウィルスの持ち込みを遮断するためでした。

一方、帰宅したとき、もし手洗いをせずに家のスイッチドアノブあるいは水栓などに触れると、そこが感染経路となる可能性があります。

そこで、手をかざすだけでON、OFFができるタッチレス水栓や、人が近づくと点灯する照明器具、あるいは音声により作動する機器など、手を触れずに操作できる「タッチレス機器」が開発され、採用されはじめています。

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タッチレス水栓はコロナ対策としてのほか、節水効果もあり人気があります

タッチレス水栓には、コンセント式バッテリー(電池)式があります。

バッテリー式定期的な電池の交換が必要になります。コンセント式はそうした煩わしさはありませんが、停電時には使えなくなります。そのため、コンセント式の場合は、停電時でも使える手動モードへの切り替えの方法を知っておく必要があります。

また、ドアノブ手摺をはじめ、日常どうしても触れる場所で、頻度も高いところには、抗菌・抗ウィルス加工建材が使用されることも多くなってきました。

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ドアノブや手摺・・・毎日何度も触れる箇所。除菌も大切ですが、抗菌・抗ウィルス加工製品も考えましょう(写真はイメージ)

上で取り上げたものは、必ずしもコロナ禍に端を発したものばかりではなく、コロナ以前から採用されていたようなものも少なくありません。

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しかし、コロナの広がりを契機として強く採用が意識されるようになってきたと言えるのではないでしょうか。

 

コロナ③:住まいの供給側の問題

このように住まい手側が、いろいろなコロナ対策に関心を持ち、住まいに採用している一方で、いくつかの問題があります。特に、供給側の問題。ここでは、それらについて見て見ましょう。

いつまで続くウッドショック・・・木材価格の高騰

今ではかなり聞き慣れた言葉になってしまったウッドショック

建築用木材の供給が需要に追いつかないことに起因して、木材価格が高騰した状態が続いています。

それは、新築戸建住宅に使われる木材のおよそ7割近くが輸入材で、その輸入材価格が高騰したことによります。

その原因として、特に米国の住宅需要の伸びが言われています。米国では、2020年にコロナの影響により、住宅建設が一時期落ち込んだものの、比較的早期にロックダウンが解除された頃から住宅需要が増加に転じました。その背景には、膨大な財政出動と低金利政策があります。

新型コロナが、結果的に米国内の住宅需要を上昇させた一方、コロナによる製材所の稼働が低下したことなどによる、世界的な木材需要の逼迫によって、木材価格が高騰し、その影響が、輸入材への依存度が高い我が国に及んだためと言われています。

 

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製材の輸入価格、出典:経済産業省:いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響? 2021年10月22日

ウッドショックは一時的なものとの見方もありますが、経済産業省のレポートでは、輸入価格も国内価格も引き続き上昇基調を継続するのではないかとの見方をしています。

(参考)

 経済産業省:新型コロナがもたらす供給制約;ウッドショックの影響 2021年7月19日

 経済産業省:いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響? 2021年10月22日

 

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木材・木製品の国内価格、出典:経済産業省:いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響? 2021年10月22日

 

住設機器は納期遅れが問題

海外に部品調達先を持つ住宅設備メーカーが、調達先の国で起きたコロナによるロックダウン(都市封鎖)のために一時生産停止となり、部品が届かなくなったというケースが起きています。

さらに、世界的な半導体電子部品の調達難のほか、コンテナ不足などによる物流の混乱などもそれに追い打ちをかけていて、さまざまな製品で納期遅れが起きています。

たとえば、温水洗浄便座ガス給湯器食洗機LED照明などの納期遅れがあります。

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コロナの世界的流行により、住設機器の納期遅れが起きました(写真はイメージ)

このように、新型コロナの感染拡大の影響が長期化し、住宅設備の欠品・納品の遅れが住宅設備メーカーで起きていることに対して、国土交通省は住宅建設会社への支援策として、一部の住宅設備が未設置な状態での建築基準法にもとづく完了検査が実施可能とすることとしています。

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しかし、完了検査が受けられたとしても、住宅購入者としては、住設機器が未設置なままの住宅を引き取るわけには行かないので、この問題もまたコロナ禍が続く中で長引くこととなりそうです。

 

まとめ:コロナ時代の住宅

では、今回のまとめです。

①コロナ禍によってワークスタイルの変化が起きました。中でもテレワークという働き方が一般的なものとなり、在宅勤務が普通のものとなりました。それは「我が家のどこで働くか」、そして「家族と過ごす場との折り合いをどうするか」という課題につながりました。たとえばマンションではトータルの床面積の制約が大きいこともあり、サービスルームやDENといった小部屋の活用が脚光を浴びています。

②「お家時間の長期化は、買い物時間の短縮とも相まって収納スペースの充実化が進みました。それ以上に、長い時間を家で過ごすようになると、できるだけ快適に過ごしたいという希望と、しかし光熱費の増加は抑えたいという現実的な問題とから、住宅の省エネ化によって、快適性と省エネ性を高めようという考え方も見られます。

住まいにおけるウィルス対策は。住宅の平面計画にも影響しています。まず「玄関除菌」でウィルスをできるだけ住宅に持ち込まないという考え方から、玄関手洗い玄関収納が充実してきました。それは、玄関に手洗い器を設置する方法から、主動線に手洗い機能を置く方法など、以前からあったかたちも含めて、さまざまなケースが見られます。そして、万一家族に感染者が出て自宅療養となった場合でも、動線分離がしやすい平面計画なども見られます。

設備面では、まず換気設備の重要性が再認識され、熱ロスを抑える点から熱交換換気システムが注目されています。またタッチレス機器、あるいは、抗ウィルス加工建材など、接触感染への対応が見られます。

⑤住宅の供給側の問題としては、国際的なコロナの広がりを背景として、いわゆるウッドショック問題として木材価格の高騰が長期化するおそれや、海外調達を前提とした住宅設備機器の納期遅れが問題となっています。

 

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コロナ問題は、このように住宅のあり方にもさまざまに影響しています。これらの中には、以前から見られたものもありますが、このコロナ禍を契機として見直されたものもあります。引き続き、これらを観察して行きたいと思います。

 

まずは「お住まいも健康診断を」・・・これが私たちN研(中尾建築研究室)のおすすめ

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コロナ禍が住宅にもたらしたもの・・・さまざまな住まいのあり方の変化がありますね。そして、そうした住宅に住む方々に、住宅は定期的に「健康診断を」というのが、私たちN(中尾建築研究室)のおすすめです。

お住まいの「質」への意識の高い方々を、私たちは微力ながら応援したいと考えています。

 

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