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「長く住める住宅」について考える

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長く住める住宅

住宅の購入を考えた人なら、長期優良住宅という制度を耳にしたことがあるでしょう。そして、ネットで見たり説明を受けたりすると、まず税制上のメリットがあることを知り、その一方で技術的な認定基準があり、それを満たすためにコストアップするなどと聞かされたりするかもしれません。

ご自宅が徐々に出来上がっているのを眺めながら、「ウチの長期優良とそうでない住宅の具体的な違いって、何処なのだろうね︖」と、S 様がぽつりと口にされました。 

この方は、ある有名ハウスメーカーの注文住宅を契約されました。その社は長期優良住宅が標準ということで、さらりと説明は受けたものの、以降は全部お任せで認定取得されました。そういう方も多いですね。 

 

N研-中尾-
ここでは、この制度を題材にして、長く住める住宅について具体的に考えてゆきましょう。

 

長期優良住宅の「長期」は、3 世代

長期優良住宅に求められる基準のひとつに「劣化対策等級 3」というのがあります。

この等級3とは、「3 世代の家族が住み続けられること」を目標としています。1 世代が 20~30 年として、3 世代で 75~90 年は住み続けられる家、というわけです。

以前は、日本の住宅の平均寿命は 30 年、などと言われてきましたが、国も 3 世代は持つ住まいに政策的に誘導しようというわけです。そのために住宅のコストはアップするので、税制やローン(フラット 35)で多少優遇しますよ、ということですね。 

長期優良住宅に求められる基準

木造戸建て住宅に要求される内容は大きく次のようなものです。

A.長期使用できるための構造・設備として 4 項目

劣化対策:劣化対策等級3、および追加項目

耐震性:耐震等級2以上

維持管理・更新の容易さ:維持管理対策等級3

省エネルギー対策:断熱等性能等級4

B.その他の要求として、大きく次の3項目

住戸面積:75 ㎡以上

居住環境への配慮:景観条例や協定などを守っている

維持保全計画:住宅の維持保全計画を定めている(点検の時期は 10 年以内ごと)

A. の①~④の「対策等級」とは「住宅性能表示制度」という、別の法律の中にある技術基準です。住宅性能表示制度で決められている「等級」の基準を、この長期優良住宅でも使います。 

 

N研-中尾-
ところで、こうした文字の説明では、一般の方にはとっつきにくいですよね。そこでここでは、これらを視覚的にご説明します。

 

【①劣化対策】(数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できることが目標)

まず①劣化対策では、等級3が必要です。文字説明の前に、概要を略図でお示しします。

劣化対策|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

長期優良住宅「劣化対策」に求められる項目(N 研作成)

上の図の番号に対応して、等級3の認定基準で主なものを説明します。

  1. 外壁を通気工法、軸組等(柱・梁や下地材など)を耐久性材、または防蟻処理(地面から1m)
  2. 土台を防腐・防蟻処理、または耐久性の高い材種(ひのき、ひば、べいすぎなど)として、水切り設置
  3. 浴室・脱衣室の防水性
  4. 地盤の防蟻対策(ベタ基礎やコンクリート打設)
  5. 基礎の立ち上がり 400 ㎜以上(防蟻対策)
  6. 床下の防湿(防湿フィルムまたはコンクリート打設)と床下換気(最近では通期パッキン)
  7. 小屋裏(天井裏)換気(給排気口を設置)
  8. 床下有効高さを 330 ㎜以上確保(点検のしやすさ)
  9. 床下点検口設置(人通口のない部分ごとに設置)
  10. 天井点検口設置(天井裏の空間ごとに設置)

などがあります。

※もう少し詳しく知りたい方向けには、一般財団法人住宅性能評価・表示協会の「長期優良住宅制度の技術基準の概要について」(新築戸建(木造軸組)版)というパンフレットがあります。

最近の住宅では、防湿フィルムの上にベタ基礎、基礎立ち上がりの上に通気パッキン(玄関土間と浴室まわりは気密パッキン)、土台に防腐・防蟻処理済み木材、外壁はサイディングの通気工法、通気タイプの水切り、室内では床下・天井点検口・・・など、ほとんど一般化していると言えますね。 たとえば土台では、工場でインサイジング加工(材木の表面に細かい切り込みを入れること)した上で、防腐・防蟻の薬剤を圧入処理したものを現場に搬入して組立てている例を多く見かけます。この土台と基礎の間に通気パッキンを入れ、通気水切りなどを介して、床下換気をしています。基礎のコンクリートに換気口の切り込みを入れる例は減りました。

インサイジング加工|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

住宅土台の防腐・防蟻処理、基礎パッキン、通気水切り

参考までに、下の写真は、築 30 年から 40 年近い住宅の床下換気口で、基礎コンクリートに切り込みを入れるタイプの例ですが、基礎クラックが発生しやすい箇所でした。基礎パッキンが一般化するにつれ、そうした問題はなくなりつつあります。 

住宅の床下換気口|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

基礎コンクリートに切り込まれた床下換気口、換気口付近のクラック(ひび)

S 様︓「土台のあの茶色い木のギザギザは、シロアリの薬を注入した跡だったのか・・・」とまたぽつり。

【②耐震性】(大地震に備える構造駆体)

次に、②耐震性では、耐震等級 2 以上が求められます。

極めて稀に発生する地震に対しても、損傷の程度を軽くおさえ、その後の改修を容易にして、継続的に住まいが利用できるように、というねらいがあります。

耐震等級というのは、住宅性能表示制度で使われることばで、等級 1~3 までがあります。

  • 耐震等級1:建築基準法が求める耐震性のレベル。最低限必要な耐震性能です。
  • 耐震等級 2:「等級1で想定する地震力」の 1.25 倍の地震力にも耐えられるレベルです。
  • 耐震等級 3:「等級1で想定する地震力」の 1.5 倍の地震力にも耐えられる、最高等級です。

なお、耐震等級 2 以上でなくても、免震建築を採用することでも良く、限界耐力計算という構造計算によることもできます。

大手のハウスメーカーなどをはじめ、戸建て住宅では耐震等級 3 を標準として安心・安全をセールス・ポイントとするところが増えてきました。

しかし、いきなり「耐震等級」とか「1.25 倍、1.5 倍」などと言われてもても、一般の方にはイメージしづらいと思います。むしろ大地震時の被害、倒壊や避難所への避難などの話題から、感覚的にご説明します。

熊本地震|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

内閣府防災情報参考資料より写真引用

たとえば平成 28(2016)年の熊本地震では、震度 7 の地震に 2 度見舞われました。 

地震後の被害調査では、等級2レベルの住宅さえ倒壊した事例が報告されました。

その後、コロナの感染リスクが知られるようになると、地震の被災後に避難所に行かなくて済むよう、等級 3 への関心が高まってきました。

耐震等級 2 または3の判定|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

長期優良住宅「耐震性」に求められる項目(N 研作成)

参考までに、耐震等級 2 または3の判定には、次の 6 つのチェックで行われます。番号は上の略図に対応しています。

  1. 壁量のチェック:耐力壁、準耐力壁の量が必要量以上あること
  2. バランスのよい壁配置:地震時に建物がねじれにくいよう、偏心を抑える(重心と剛心を近く)
  3. 床倍率のチェック:床や屋根面など水平方向(水平構面)の強さ(床倍率)のチェック
  4. 接合部のチェック:筋交いや柱の接合部、横架材の接合部などのチェック
  5. 基礎のチェック:地盤の地耐力や荷重条件などにもとづく基礎の仕様が適切か
  6. 横架材のチェック:横架材の負担する荷重、間隔、長さに対して、樹種や断面寸法が適切か

この中で(3)の「床倍率」というのは、建築基準法にはないことばで、水平面(床、屋根)の剛性(変形しにくさ)を確保しなさいという要求です。

最近では床材に構造用合板と呼ばれる厚めの合板(厚さ 24 ㎜以上)を使って、これまでのような根太(ねだ=床板の支持材)を使わない剛床工法(根太レス工法)が増えてきました。剛床というくらいですから、構造用合板を使うと床剛性は高まります。 

一方、吹き抜け部は床の代わりに火打ち梁(ひうちばり=水平方向の斜め梁)を設けて、水平方向に変形しないようにしたりしています。

なお、構造用合板の床で注意したいのは、合板を梁材に固定するです。釘の種類や打ち付ける間隔などは国が定めています(平成 12 年建設省告示第 1460 号)。たとえば、24 ㎜厚さ以上の合板では、N75 という専用釘で 15 ㎝以下の間隔で留め付けなさい、というふうに定めています。釘の種類の間違いや間隔のあきすぎには要注意です。 

S 様︓「そういえば、この家は地震の等級3、『最高等級』ですから、って営業マンが盛んに言っていたのを思い出した」そうです。
確かに、長期優良で、かつ耐震等級 3 というのは、住宅メーカーにとっては大いにセールス・ポイントですね。

【③維持管理・更新の容易さ】(駆体より耐用年数が短い内装・設備のメンテナンスを支える)

③の維持管理・更新の容易さでは維持管理対策等級3が求められます。これは最高等級です。

柱・梁・基礎などの構造躯体に比べると、内装や設備は耐用年数が短いわけですが、その維持管理(清掃・点検・補修・更新など)を容易にできるような配慮を求めています。

長期優良住宅では、竣工後の維持管理にも重きを置いているので、最高等級を要求するのでしょう。

維持管理・更新|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

長期優良住宅「維持管理・更新の容易さ」に求められる項目(N 研作成)

等級3とするためには、次のような項目が求められます。番号は上の略図に対応します。

  1. 配管をコンクリート内に埋込みとしないこと
  2. 地中埋設配管上にコンクリートを打設しないこと
  3. 専用排水管の内側が平滑で、たわみ、抜け等が生じないよう設置されていること
  4. 排水管に掃除口、または、清掃可能な措置が講じられたトラップを設けること
  5. 構造駆体と仕上げに影響せずに配管点検が行えるよう開口部を設けること

これらの項目はつまり、設備配管の点検や将来の交換に支障がないようにしておくよう求めていると言えます。

たとえば、(1)では「埋込み配管の禁止」が求められていますが、最近の住宅の現場では、基礎の配筋の段階で写真のような「さや管」をセットしておいて、コンクリート打設後、その中に可撓管(かとうかん、曲げられる管)を設置することが多くなってきました。 

将来、配管の交換が必要になっても、基礎のコンクリートを壊さなくても良いわけです。 

さや管|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

(左)配筋工事さや管セット例、(中)さや管あり配管例、(右)さや管なし配管例

ここで注意しておきたのは、さや管と可とう管の間にはわずかな隙間ができるため、そのままにしておくとシロアリが侵入してしまうおそれがあります。

また、最近では排水方法として排水ヘッダー方式を採用する例が増えてきていますが、ヘッダー上部には掃除口が設けられているので、(4)の掃除口の要求に対応できます。

なお、配管点検用開口部を求めている(5)については、ユニットバス床下配管の点検もできるようにしておく必要があります。

排水ヘッダー方式|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

排水ヘッダー、上部掃除口

注意したいのは、次の「④省エネルギー対策」に関連しますが、ユニットバス床下を基礎断熱とする必要がある場合、ユニットバス床下手前から入る開口部に断熱性能が求められる点です。 

この箇所の断熱と点検の重要性は徐々に認識されてきていて、スタイロフォーム(押出発泡ポリスチレン)の断熱材を切り込んで点検口としている例などもありますし、製品化されているものもあります。 

浴室下配管点検口|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

(左)浴室下配管点検口現場例、(右)断熱点検口製品例(城東テクノ(株)カタログより)

はじめのところに戻って、(1)の「配管をコンクリート内に埋込みとしない」のところについて。

S 様︓「たしかに、排水管をコンクリートの基礎の中に直接埋め込んだら、配管をやり替える時に、コンクリートを壊すことになって、大がかりにな ってしまう・・・

と、ご感想。そのとおりです。

【④省エネルギー対策】(断熱性を高めてランニングコストを抑える)

長期優良住宅に求められる④省エネ対策は、住宅表示制度の断熱等性能等級4です。しかし、我が国の省エネ基準は、内容強化の改正を幾度も繰り返してきて、考え方も変遷して、少々専門的な知識が必要なため、一般の方には立ち入りづらい内容となってしまっています。 

そして基準に適合させるには、計算による方法(性能規定)と、定められた仕様に従う方法(仕様規定)とがあります。この点も、はじめての方には、わかりにくいかもしれませんが、ここでは、後者の仕様による方法から主要なものを見てゆきます。 

仕様によって省エネ基準に適合させるには、主に以下のような項目に配慮します。

  1. 断熱構造とする住宅部分:住宅を断熱材で包むことが原則、ただし玄関土間や浴室床下に例外
  2. 駆体の断熱性能等:地域区分に応じた各部位(屋根、壁、床など)の断熱材厚さ
  3. 開口部(窓、扉)の断熱性能等:開口部比率区分に応じた断熱性能、日射遮蔽措置
  4. 結露防止対策:断熱部分の防湿層・通気層確保(例︓壁体内での結露防止)

これだけでは分かりにくいと思いますので、次に図示します。これには、いくつかの前提があります。

断熱の仕様|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

長期優良住宅「省エネルギー対策」に求められる項目(N 研作成)

仕様規定(基準)では、まずその建物の地域区分や開口部比率によって、住宅を分類します。

地域区分とは全国を 8 つに分けて、たとえば北海道のいちばん寒い地域が「1 地域」、沖縄県は「8 地域」です。東京都では、奥多摩が「4 地域」、八王子や立川などが「5 地域」、三宅島や八丈島が「7 地域」で、東京の主要部は「6 地域」です。 

開口部比率とは、住宅の外部面積のうち窓や扉などの開口部面積の割合です。

上の略図は、おおよそ「6 地域」に建てられる住宅をイメージした断熱の仕様とご理解ください。各所にグラスウールの厚みが記してありますが、これは「高性能グラスウール 16K」を使用した場合の厚みです。 

(詳しくは各部位や工法ごとに「熱抵抗」の基準値が決められていて、それ以上になるように、使用する断熱材の厚みなどを決めてゆきます。開口部についても、地域区分ごとに開口比率に応じた断熱性能(熱貫流率)と日射遮蔽性能の仕様(ひさし、軒など)が定められています。やや専門的になるので、ここでは割愛しました)

さて、断熱構造とすべき範囲について、よく話題となるのが、(a)浴室(ユニットバス)の床下と(b)玄関土間の扱いがあります。

浴室下基礎まわり|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

(左)浴室下基礎まわり断熱材あり例、(右)同断熱材なし例

(a)ユニットバスは、①床のパネル下自体が断熱構造となっているものと、②断熱ではないものによって扱いが異なります。床断熱と基礎断熱の違いです。

①床パネルが断熱されている場合は、浴室に接する部屋の断熱材や、外壁の断熱材につながるようにします。これが床断熱です。

②床パネルが断熱されていない場合は、上の略図のように、ユニットバス下まわりのコンクリート基礎の立上がりを断熱します。これが基礎断熱です。 

立上がり部の断熱材は、床下四面にぐるりと断熱していないと効果が低いので、途中の点検口も断熱が必要です。(これについては「維持管理・更新の容易さ」のところでも、すでにお話しました)

玄関土間基礎|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

(左)玄関土間基礎立上がり断熱材あり例、(右)同断熱材なし例

(b)玄関土間については、最近の基準では「断熱構造としなくてよい部分」とされていて、基礎立上がり部の断熱材も省略可とされています。これは、施工手間や仕上がりの意匠的な観点からの要請で、省略しても等級 4 を取得できるということですが、本来は基礎断熱として、設置が望ましいところです。 

ただし、駆体の土間床を貫通して断熱材を設置すると、その断熱材がシロアリの通り道となる恐れもあるので、ベタ基礎の上の部分を断熱して押さえコンクリートを打設する例が見られます。

S 様︓「断熱材の厚みは、むかしの基準とくらべて、今度のウチの家のは何倍にもなっているということか・・・なるほど母屋が寒かったわけだ

と、実感として理解されました。

「見えないところ」について

この、(b)の箇所は、工事が終われば見えなくなります。工事の進み方は下の写真のようになります。

こうした箇所や、壁内部・屋根部の断熱材などは、いわゆる隠蔽部分ですね。

見えないところ|おすすめホームインスペクション|新築・中古・自宅の住宅診断

(左より)玄関土間基礎立上がり部(断熱材あり)の、基礎駆体時、土台設置時、仕上工事時、同詳細

そして、(a)の箇所や、天井裏・床下の断熱材などは、維持管理・更新のところでお話したように点検口から進入すれば、確認できなくもありませんが、普段は目にすることはありません。 

まったくの隠蔽部分や一般の方が普段目にしないところ、これらをひっくるめて、私たちは「見えないところ」と呼んで重要視しています。この後者の部分は点検できるようにしておくというのが、長期優良住宅の維持管理・更新のひとつのポイントでした。しかし、それでも前者の隠蔽部分については、工事完成後では確認のしようがありません。 

我が国では、住宅の場合、工事記録写真が住まい手に提出されることはまれですし、一般建築物のように工事監理者(工事管理者つまり現場監督ではありません)が細かく確認することもまれでしょう。また、ここで話題にしている長期優良住宅制度についても、「現場検査は行わない」ことになっています。この点は意外と意識されることがなく、長期優良住宅認定の要注意点です。

一方、住宅性能評価制度には、設計と建設ふたつの評価がありますが、そのうち建設住宅性能評価では、住宅の場合、一般的に四段階の現場検査があります。

(1)基礎配筋完了時、(2)躯体工事完了時、(3)仕上げの下地貼りの直前、(4)竣工時

の四段階で、それぞれの箇所が次工程で隠蔽されてしまう直前に検査が行われます。検査実務の程度はひとまず置いて、見えなくなってしまう部位を隠蔽直前に確認するという点は重要です。

長期優良住宅制度と住宅性能評価制度の両方で認定を受けることを標準としているハウスメーカーも多く、それをクリアできるように標準仕様を設定しています。両方の認定を受けることで、住宅の質は向上しますが、それはあわせて隠蔽部のチェックという意味でも効果が期待できると言えます。 

ここまで、たいへん長いコラムとなってしまいました。

最後に S 様の感想です。(口頭の要点を記載します)

  • 我が家の場合、長期優良住宅の認定は、住宅メーカーから言われるままにお願いしてしまいました。
  • 長期優良と性能評価と両方の認定を受けていて、耐震等級も3。この点は安心だと思っています。
  • メーカーのカタログにもいろいろ書いてありますが、やはり現地現物で説明されないとピンときませんね。長期優良ならではの部分も、言われるように、隠れてしまうところが多いですしね。
  • 技術的にはちょっと専門的過ぎましたが、長期優良について分かったのは、建て主にとって、今後の維持管理こそ一番重要ということですね。
  • 本当に三世代住み続けられるなら、もし自分の半世代で住み替えとなったら、まだまだ資産価値あり、ということですね。

 

N研-中尾-
「建て主にとって、今後の維持管理が一番重要」とご理解いただいたので、技術的な各論のところはイメージをつかんでいただく程度で結構だと思います。そして、最後のフレーズ、「まだまだ資産価値あり」というところが、いいですね。

 

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